ライブを作るのは出演者だけじゃない、という始まりで前エントリーは照明さんに的を絞りました。今回は“PA”さんです。照明さん同様、ライブの出来不出来に深く関わるPAさんについて。。。
知ったかぶりは大損

――PAさんって職人ですけど、“頑固一徹”というわけではないですよね?
松『僕が思うに、これからのPAってある意味、柔軟じゃないとやっていけないんじゃないかな、って。
「俺はこういう音しか作らねぇ」とかじゃなくて、出演者からの要望を汲み取って音にしたり、出演者から「今日の音はどうでしたか?」とか聞かれるような存在であって欲しいな、って。』
――じゃあ、PAさんが困る出演者ってどういうタイプですか?
松『それはもう“知ったかぶり”ですね。わかったふりして理論めいたこと言ってきたりとか。
わからないならわからないで素直に聞いた方が得ですよ。』
言わなきゃわからない
松『LIVE labo YOYOGIに今まで何度も出演してくれてるバンドのサウンドチェックを観る事があったんです。
構成は、EGt,AGt&Vo,Ba,Drの4人。
ある曲を演奏している時に、外音を聴いていたVoが「この曲、EGtはもっと大きくならないですか?」って言うんです。
僕とPAは、“AGtの上に軽くEGが乗ってるイメージ”と捉えてたのでそのことを伝えると、そのVoは「違うんです。AGtはもっと小さくてEGtがガンッと来るイメージなんです」って言うんですよ。
「え~っ!?そうなのぉ??」って感じですよね(笑)
こっちとしては強制することは何1つないので、その代わりに自分達の持つイメージをこっちに伝えてくれよ、と。』
――PAさんに要望を伝えるのは悪いことではないんだよ、と。
松『むしろ“言ってくれよ”と(笑)
もちろん出来ること出来ないことはありますし、伝え方があまりに抽象的だと難しいかもしれないですけどね。
ある程度の場数を踏むというか、ライブを10回とか20回とか演れば自分たちの出したい音とかも段々と明確に見えてくると思うんで、そうなったらライブハウス側に伝えてもらえればなと思いますね。』


出演者として最初にすべきなのは出したい音のイメージを持つこと。
その音を作るノウハウはPAさんが持っている。