
“シールド”とは楽器とエフェクター、楽器とアンプ、エフェクターとアンプを接続するケーブルのことです。
楽器がいくら高価で、アンプがいくら高性能だとしても、シールドが安物だと楽器もアンプも宝の持ち腐れとなりかねないほど重要です。
シールド
正式名称はシールドケーブル。
音を通すための“芯線”は、ノイズの原因となる外来の電波なんかを防ぐために“金属製の網”で覆われています。
この“金属製の網”が盾のようなのでシールドケーブルと言う・・・らしいんだけど、ホントかね!?
海外の楽器メーカーのサイトを見ると単純に“cables(ケーブル)”とカテゴライズされてるので、ただの和製英語なんじゃないかな、という気もします。
選び方
長さ
シールドを選ぶときには、価格や見た目も気になりますが、最初にチェックするのは長さです。
店頭でよく見るのは20cm程度のものから、7m以上のものまで様々。
この中からお目当てのシールドを選ぶことになります。
まずは、どこに使うシールドを選ぶのか、で絞り込みましょう。
10cm程度のものは“パッチ”などと呼ばれ、エフェクター同士を接続するときに使います。
1m程度のものはエフェクター同士、ワイヤレスシステム周りに使ったりします。
楽器とアンプをつなぐとなると、3m以上はないと使いづらいでしょうね。
かといって、長ければいいというわけでもなく、せまいスタジオで7mを使うのはやや不便。
楽器を直接アンプにつなぐのであれば5m程度。
楽器⇒エフェクター⇒アンプとつなぐのであれば3mを2本。
ライブでも使うことを考えればこのような買い方をすれば、そんなに不便は感じないと思います。
動き回る演奏スタイルであれば、もうちょっと長いシールドを買うのもありです。
家で使うだけなら、もっと短くても十分かもしれません。
演奏する位置からアンプまで1mなら、ちょっと余裕をもって1.5mもあれば事足りるでしょう。
動き回らないことが前提ですが。
プラグ
実際に楽器やアンプに接続するときに挿す部分のことです。
これには“L字型とストレート型”の2種類があります。
カタログなんかを見るとL字は“L”、ストレートは“S”と表記されています。
プラグが2つともL字の場合は“L/L”、L字とストレートの場合は“L/S”、2つともストレートだと“S/S”となります。
使い分けは好みによるところも大きいのですが、それぞれの特徴を理解するとより良い使い分けが出来るかと。

L字型は、配線がスッキリしやすいというメリットがある反面、L字部分がストレート型に比べてやや複雑に出来ているため、知らないうちに負荷がかかって断線することも。
ストレート型は、プラグ部分に力が加わった場合に断線しやすいという危険性をはらんでいるものの、力さえ加わらなければL字に比べて断線しづらいと言えます。
ま、断線や接触不良は使っているうちに出会ってしまうトラブルなんですけどね。
価格
『絶対に高いほうがいい』とは言えません。
ちょっと値が張るシールドでも『え!?』という音が出てくる場合もありますから。
しかし『絶対に安物はダメ』とは言えます。
これは経験上の結論なので、今後のシールド界に革命的に安くていい製品が出た場合は撤回します。
が、今まで使ったことがあるシールドにおいて、安いのにいい音が出たものは1本もありません。
シールドの作りは言ってしまえば単純なものです。
つまり、材質がモノをいうわけですから、安価な製品ということは材料が安価だということです。
同じ楽器、同じアンプ、同じセッティング、同じプレイヤーでもシールドを1本変えれば音は変わります。
一度、この経験をすればシールドの大切さもわかってもらえるのではないかと。
シールドも楽器の1つ。
ゆめゆめ侮ることなかれ。