
セッティングが終わったらPAさんがチェックするための音出しが始まります。
だいたいPAさんが『準備よろしいでしょうか?』と頃合いを見計らって声を掛けてくれます。
もちろん出演者(アーティスト)側から『準備OKです。よろしくお願いします。』と声を掛けてもOK。
音出しに限らずですが『よろしくお願いします』とか『OKです』とか、挨拶とか状況を伝える言葉は重要ですよ。
音出しの順番
バンド形態の場合、だいたいDr⇒Ba⇒Gt⇒Key⇒Voという順番が多いです、経験上ですが。
ソロでの弾き語りの場合、楽器(GtとかKeyとか)⇒Voという順番になります。
誰かのセッティングが終わってない、などの場合はBa・Gt・Keyの順番は前後することがあります。
特に“Drが最初でVoが最後”というのはほぼ確定と思ってOKかと。
よっぽどスケジュール的に厳しい場合はDrが後回しになることもありますが、それはかなりのレアケースです。
CDなどにオケ(カラオケのように歌が入ってない伴奏のみの音源)を入れてCDの操作はPAさんが行いアーティストはVoのみ、なんていう場合はVo⇒CD再生という順番になります。
同じような場合でも、アーティストがMTRやCDJなどでオケを再生する場合はオケ再生⇒Voという順番になります。
PAさんがCDなどを再生する場合は配線ミスなどがなくVolume調整だけでOKですが、MTRやCDJなどの場合はVolume調整の前に配線がきちんとされているか(音が出るか)というチェックが必要だからですかね。
また、誰かの音出し中に他のメンバーが音を出す(たとえばDrの音出し中にGtが音を出す)のはNGです。
ただ音を出しているわけではなくPAさんがいろいろとチェック中ですから、他の音を出されるとはっきり言って邪魔なんだそうです。
おとなしく、自分の順番が来るまで待ちましょう。
音出しの作法
音出しにはある程度決まった作法・手順があります。
パートごとの手順もありますが、全体については
- 音出しの最中は他のメンバーは静かにする
- PAさんが『OKです』と言うまで音を出し続ける
- 本番と同じように音を出す
といったところです。
この3つ、非常に重要なんですが、その中でも”本番と同じように”というのは特に重要です。
サウンドチェックでは音量の最大値(ピーク)を取ります。
もちろんこれだけではないんですが、最大値を取るのは重要な作業です。
ハウリングを防ぐなどの意味もありますが、何より出音のバランスに直結します。
”本番のためのサウンドチェック”なんですから、本番と同じように音を出しましょう。
それに、サウンドチェックで鳴らさなかった音を本番でいきなり出したらPAさんだって困惑します。
結果、出音が望んだ音とかけ離れることだってあり得ますよ。
Drum
だいたいDrumの音出しはPAさんの『キック(バスドラ)からお願いします』という一言から始まります。
こう言われたらDrはペダルを踏んでバスドラを鳴らしましょう。
90~100BPM程度の4分打ちでOKです。
“ドンッドンッドンッドンッ・・・”と、PAさんからOKが出るまで鳴らしましょう。
その後は、スネアやタムなど他の音をチェックしていきます。
バスドラ以外は4分打ちだけではなく細かい音符も叩きましょう。
“ターンターンタンタンタカタカ・・・”的な。
タムの場合、PAさんから『上から流してください』と言われるときがあります。
このときは“Hiタム⇒Midタム⇒Lowタム⇒フロアタム”の順番でいわゆる“タム回し”をしてください。
これも大きい音符と細かい音符を叩きましょう。
“タンッ(Hi)⇒タンッ(Mid)⇒タンッ(Low)⇒タンッ(フロア)⇒タカタカ(Hi)⇒タカタカ(Mid)⇒タカタカ(Low)⇒タカタカ(フロア)・・・”と言った具合で。
最後に『全体でください』と言われた場合はセット全体を使ったリズムパターンを叩きましょう。
派手派手なソロを叩く必要はまったくありません。
基本的なビート(8でも16でもOK)を叩き、ところどころにタムやシンバルを使ったオカズ(Fill in)を絡めればOKです。
Bass
Drumが終われば次はBassってのが通常パターンです。
PAさんに『Bassさんお願いします』と言われたら、まずはその日の基本セッティングの音色でフレーズを弾き続けて(音を出し続けて)ください。
弾くフレーズはアドリブでもいいですし演奏曲のベースラインでもいいですが、楽器によっては弦ごとに音のバラツキがあるので、その辺もチェックしてもらうことを考えて全ての弦を使ったフレーズがいいですね。
Lowポジション・Midポジション・Hiポジションすべてを弾きまくるタイプのBaであれば、ポジションすべてを使うようなフレーズを弾きましょう。
あくまでチェックですから陶酔する必要はありませんが、本番と同じような演奏しないとチェックの意味がありませんからね。
で、基本の音色のチェックが終わると『他の音色や弾き方はありますか?』と聴かれます。
無ければ『ありません』で終わりますが、ある場合はチェックしてもらいましょう。
他の音色・弾き方とは、エフェクターをかけるとか、基本は指弾きだけどスラップでも弾きます、とかです。
どういう音色か、を伝えてから弾く(チェックしてもらう)とスムーズです。
たとえば『歪みます』とか『スラップでワウ掛けます』とか『EQでブーストさせます』とか。
終われば『以上です。』と伝えればOKです。
思ったより長くなってきたので、GtやVoなど他のパートは次エントリーにて。。。
サウンドチェックは本番と同じ音色・テンションで!