演奏記号を全部覚えようとしたら大変な作業です。
なぜならとてもたくさんあるから。
でもクラシックならいざ知らず、現代ポピュラー音楽でよく使われるのはそんなに多くありません。
覚えてしまえば譜面(曲構成表)を書くのも、渡された譜面を読むのもかなり楽になりますよ。
演奏記号の種類
演奏記号は大きく分けて”その音符をどう演奏するのか”と”曲構成を表す”に分けられます。
細かく分ければもっといろいろ分けられるんですが、大きく分ければこの2つです。
読み方はあまり耳慣れない響きなんですが、これは元々イタリア語だからです。
まあ、読み方を忘れても記号の意味さえ覚えておけばどうにかなります。
記号を使いまくって多少見づらくなる場合もあることはありますが、記号さえ知っていればちゃんと読み解けます。
作曲した(譜面を書いた)方にもよるとはいえ、上にも書いたとおりそんなに多くの記号は使われませんから。
わかりづらければ自分専用譜面(複数で使う譜面ではない)であれば蛍光ペンとかで書き込めばいいんですし。
反復記号
曲構成を表す記号の代表というか、頻出するものを使って例譜面を作りました。
では、以下の譜面①と②を見ていただいて。


この譜面、演奏内容は同じなんですが、書き方が違うんです。
どっちが見やすいかは人それぞれかもしれませんが、どっちがスペースの節約になるかは一目瞭然ですよね。
また、例譜面は短く作ってありますが、1曲まるまる譜面にするとこれよりも長くなります。
そうなったとき、反復記号を使わずに譜面を書くとなると・・・長い曲だと気絶しそうになります。
自分で構成表をざっとメモするようなときも、反復記号を使うと楽ですよ。
前の小節と一緒
直前の小節のフレーズを繰り返すときに使います。
点と斜め線で作られているこの記号。斜め線が2本あれば、直前の2小節。4本なら4小節を繰り返します。
もどる
点が縦に並んでいるこの記号まで来たら、一度戻ります。
例譜面の場合は曲頭まで戻り、そこから演奏します。
曲頭の場合は「ここまで戻る」記号を省略出来るので、表記しないのが普通です。
ここまで戻る
「もどる」の記号から「ここまで戻る」を示す記号です。
曲頭に戻るとき以外、この記号が表記されます。
ちなみに「もどる」「ここまで戻る」って書き方してますけど、正式名称がWikiにも載ってないんですよね。なんて読むんでしょ?
カッコ
数字は何回目に来たときここを演奏するか、を表します。
画像だと、1回目に来たときは1.を演奏し「もどる」で1度戻り再びここにたどり着いたときは2回目に来たということなので2.を演奏します。画像だと1と2しかありませんが、3以降も有りです。
D.S
例譜面だと4段目にある「Da Segno」から、「Sと%を合わせたような記号」にもどります。
「Dal Segno」の表記より「D.S」の方がよく使われるみたいです。
読み方は「ダル・セーニョ」。
「Da Capo」(省略表記D.C)というのもあります。これは曲頭に戻るときに使います。
Coda
本当は「ヴィーデ」と読む記号らしいんですが、バンド系の譜面だと「コーダマーク」と読まれます。
例譜面だと3段目の「Da Coda」からこの記号に飛びます。
「Da Coda」よりも「To Coda」とか「Toの後ろにコーダマークの画像」という表記が多いかも。
優先順位
反復記号には優先順位があります。
- もどる・ここまで戻る
- カッコ(数字順)
- D.S
- Coda
数字の少ない方が優先されると思ってください。
たとえば、もどるよりもD.Sが優先されることはありません。
この優先ルールがあることによって誰が書いても・見ても同じように演奏されるんですね。
ちなみに例譜面は白黒で見づらいので、例譜面みたいな譜面を渡された場合は蛍光ペンで書き込みます。
たとえば↓のように。

覚えるのは大変かもしれないけど、覚えてしまえば「あ~これね」って感じ