Demo音源を創る第10回~ミックス

Mixdown
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ミックスとはマルチトラックでRecされた音源のバランスを取る作業のこと。
音量調節、パン設定、各トラックにエフェクト・・・などやる作業は少なくない。
ゆえに、なかなか難しい作業。
(ミックスの定義はRecの基本用語で。)

ミックスの極意

それは“理想の音に限りなく近づけていく作業”の一言に尽きる・・・と思います。
“理想”を定義するならば“そのアーティストのアーティスト性をもっとも表せる状態”でしょうかね。

要は「これが僕(僕たち)の出したい音です」って言える音にするってことですね。

ミックスを始める

一言でミックスと言っても、やり方は十人十色と言っても嘘ではありません。
理想の音に近づける作業ですから、理想の音の数だけミックスの方法があるわけです。

とは言え、ミックスを初めてやった人は迷路にはまり込みがちです。
迷路にはまった数だけ成長するのは確かなんですが、迷路を抜ける方法すら見当がつかない場合も・・・。
そこで、基本的というか、シンプルな方法を書いてみます。
あくまで基本的な流れなので人によっては違うことと、機材・機種によっては出来ない作業もあるのをご了承のうえお読みください。

  1. ノーマライズ
  2. 不要な部分を消去する
  3. センターを決める
  4. ドラムのパンを決める
  5. ドラムのパンを基準に他のパートの定位を決める
  6. 各トラックにエフェクトを掛けて、音量調整
  7. ミックスダウン

1.ノーマライズ

DAWソフトに入ってる場合が多い機能です。
フリーソフトも配布されています(僕は使ったことがないのでリンクは貼りません)。
簡単に言うと、ノーマライズとは音を限界(割れる寸前)まで音量を大きくする処理のことです。
ミックスでは複数のトラック(音)を扱います。各トラックをノーマライズすることで均一化を図るわけです。
これはミックスの下準備と捉えればいいと思います。

2.不要な部分を消去する

Recしたときに無駄な音が入る場合があります。
ボーカルの場合は咳払いとか、ギターの場合はノイズなどなど。
不要な部分は、文字通りいらない部分なので消去しておきましょう。

3.センターを決める

パンでいうセンターです。(某アイドルの総選挙のことではありません。)
多くの場合はボーカル(歌)です。
インストものの場合はメロを奏でる楽器がセンターになることが多いようです。

4.ドラムのパンを決める

ドラムはトラックをたくさん使うことが多いので、ドラムのパンを決めるとその後が楽になりやすいです。
大まかですが“バスドラをセンター” “ハイハットをちょっと左” “スネアをちょっと右” “タムはハイを左、ローを右に流れるように”といった感じでしょうか。
手持ちのCDで、ドラムの音数が多いのを聴いてみると参考になると思います。

5.ドラムのパンを基準に他のパートの定位を決める

定位(パン)を同じ場所にすると、当然ながら音が被るので混ざって聴こえたり、ひどい場合は聴こえなくなります。
それが狙いならいいのですが、定位を少しずらした方が曲に広がりやふくらみが出ます。

6.各トラックにエフェクトを掛けて、音量調整

よく使われるエフェクトはEQ(イコライザー)やコンプレッサー/リミッターなどです。
他には、リバーブやコーラスなどもよく使われるエフェクトです。
エフェクトを掛けることによって音質・音量の補正をしたり、場合によってはまったく違う音のように加工します。

エフェクトに関しては“エフェクトを学ぶ”を読んでいただけると。
サンプル音源もアップしているので文字だけよりは理解できるかと思います。
で、ここでは使用頻度の高いEQとコンプレッサー/リミッターについてのみ書くことにします。

EQ・・・高音を強くしたり、低音を強くしたりなどが出来る。
iPodやコンポなどにも付いているので、見た・使ったことが多いであろうエフェクト。
EQを使うことにより、音質を補正する。
使い方はブースト(強くする)より、カット(弱くする)のが基本。
たとえば高音を強くしたい(よく聴こえるようにしたい)場合は、高音をブーストするのではなく低音をカット。
逆もまた然りで、低音を強くしたい場合は 高音をカットするのが基本。

コンプレッサー/リミッター・・・リミッターは、本来はコンプレッサー(通称コンプ)の使い方の1つなんだけど
使用頻度が多いのでリミッターとして独立してます。
基本的な使い方として音圧を上げるのが重要な役割・・・なんですが。
実は、コンプは扱いが難しいと言われています。
DAWにはいくつかのコンプのパターンがプリセットされている場合が多いです。
プリセットを使ってみて「あ、こんな風になるんだ」って感じるのが最初の一歩としていいと思います。
詳しくは別エントリーで説明しますね。長くなっちゃうんで。

で。
エフェクトを掛けて音質の補正をした後、各トラックのボリューム(音量)の最終調整をしてミックスダウンへ。

7.ミックスダウン

ミックスが終了したら“マスタリングのためにマスタートラックへ音を送る”作業が必要になる場合があります。
この作業のことを“ミックスダウン”と言います。
DAWの場合、ミックスダウンの作業は不要の場合もありますが、MTRの場合は必要になることが多いですね。

これでミックス作業は終了です。
次はいよいよマスタリングです。

ミックスとは音を混ぜる作業。
料理で言うなら煮たり焼いたり、料理そのもの。 

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