Demo音源を創る第2回で書いたRec方法についてさらに書く・・・前に。
よく使う基本用語を説明しておこうと思います。
DAW(でぃーえーだぶる)
Digital Audio Workstation(でじたる おーでぃお わーくすてーしょん)の略。
音楽系PCソフトの中で、Rec・編集・打ち込み・マスタリング・・・など、
音源を制作する上で必要な機能を(ほぼ)全て搭載したソフトをDAWソフトと呼びます。
PC性能にもよるんですが、ソフトの設計上はトラックやエフェクトを無制限で使えるなど、
MTR時代と比べるとまるで夢のような環境。
登場初期は高価でしたが、最近は初心者用だと1万円前後、プロユースでもソフトによっては5万円程度から。
MTR(えむてぃーあーる)
Multi Track Recorder(まるち とらっく れこーだー)の略。
複数のトラックにそれぞれ楽器を録音し、編集する機材。
DAWに取って代わられた感も無くはないが、DAWに比べて初期設定が楽で
扱い方も覚えやすいというアドバンテージは大きく、初心者にとってもハードルが低いRec環境です。
最近はDAWソフトがおまけについているMTRも多く登場しており、
MTRでRecしてDAWで編集する、というのも昨今のよくある手法。
ステレオ(stereo) と モノ(mono)
用語としての定義は長くて難しくなるので、実践的な定義を書くことにします。
ステレオはR(右)とL(左)で違う音を鳴らすこと。
モノはR(右)とL(左)で同じ音を鳴らすこと。
ステレオはRとLで違う音を鳴らすので、たとえば飛行機のジェット音をRからLに流すと、
“飛行機が右から左に向かって飛んで行った感じ”を表現出来るわけです。
この、「RからLに」という作業をパンするとかパンニングとか言います。
トラック(Track , Tr)
ざっくり言うと音を録音する場所のこと。
MTRやDAWはマルチトラックなので、1曲に付き使えるトラックが複数あります。
8トラックMTRなら1曲に付き8トラック、24トラックMTRなら24トラックを1曲に使えます。
・・・って言っても初めて“トラック”って言葉を知った人にとっては「???」なんですよね、きっと。
少なくとも僕はそうでした。。。
音源を創っていく過程で言ってる意味がわかると思うので、 今は“音を録音する場所”とだけ覚えてください。
エフェクト(Effect)
Recした音に効果や補正を加えるための機能のことです。
iPod等についているイコライザー機能も立派なエフェクトです。
DAWやMTRにはもっとたくさんのエフェクトが入っていて、
リミッター、コンプ、ディストーション、リバーブ、コーラス、ワウ・・・などなど多種多様です。
いきなり全てを覚えるのは無理な話。
みんな、実際に音源を創っていく過程で覚えていくものなのです。
パン(Pan)
音の定位(音が聞こえてくる方向)を左右に振ることをパンとかパンニングと言います。
曲をイヤフォンやヘッドフォンで聴くとわかりやすいんですが、ギターがちょっとRだったり
キーボードがちょっとLだったり、ボーカルがセンターでコーラスがRとLに振ってあったり、と
定位が振られていることがわかると思います。
こうやって音をパンニングすることで曲に広がりとかを与えてるんです。
ミックス(Mix) と ミックスダウン(Mix down)
ミックスとはマルチトラックにRecした音源のバランスをとる作業、と覚えればいいと思います。
各トラックのパンやボリュームを調整し、エフェクトで音質を補正したり効果的な音にしたりして
Recした素材が「いい曲」 になるようにミックス(混ぜ合わせる)します。
ミックスが終わった曲をマスタリングのためにマスタートラックへ書き出すことをミックスダウンと言います。
ですが、最近はDAWソフトが進化し、ミックスからマスタリングまで一連の作業でできるので
ミックスとミックスダウンが同じ意味として扱われている場合もあります。
マスタリング(Mastering)
ミックスが終わった音源に施す最終調整のこと。
ミックスとは違い各パート毎に調整は出来ないので、曲全体に対する音質・音圧の調整と補正が主な作業。
2曲以上ある場合は、曲順や、曲をつなげて聴いても不自然にならないようなバランスをとることも
マスタリングという作業に含まれます。
ちなみに。
何年も前に出した曲をベストアルバムとして販売するときや、レコード盤をCDとして復刻するとき等に使われている
「リマスタリング」という言葉、あれは“マスタリングし直した”という意味なんですね。
‡ポイント‡
用語は使って初めて身に付くもの。
今覚えられなくても、 理解出来なくても気にしないっ!