郵送やメール、インターネットなどでDemo音源を聴いてもらったあとは、ライブハウスから連絡が来ます。 ちょっと敷居の高いライブハウスとかだと連絡が来ない場合もあるんですが、ほとんどの場合は連絡が来ます。 そのままライブ本番を迎える場合もありますが、ライブハウスによっては顔合わせがあります。 LIVE labo YOYOGIさんは顔合わせをするそうなんですが、どんなことを話すんでしょうか。
片想いか、両想いか
――Demo音源を聴いたあとはどうなります?
松『Demo音源を聴いた次はアーティストさんに連絡です。
でも、すぐ出演というわけではなくて一度LIVE labo YOYOGIに足を運んでもらいます。
そのとき、Demo音源をメディア(CDなど)にしたものもいただきます。
これは後々使うこともあるので。
で、実際にステージや2階があるというウチ独特の造りなどを観てもらってから出演するかどうかの話になります。』
――じゃあ、どっちかの片想いの場合もあるし、両想いの場合もある?
松『あります、あります。「自分達の出したい音の雰囲気と違う」って言われる場合もありますし、僕から「君達のやりたいことはウチじゃない方がいいかも」って言う場合もありますし。
オーディション的な感じで一度ライブに出てもらって、それから判断する場合もあります。』
――松田さんから断るのは、敷居が高いわけでなくアーティストのことを考えてのことですよね。
松『もちろんそうです。昔のライブハウスって「なんでウチに出てるの?」とか言ってたじゃないですか。 あれって、言い方は悪くてもそのアーティストのことを考えての発言ですよね。 それと同じです。』
――では、めでたく両想い(笑)の場合は、より詳しい話になるわけですね?
松『そうです。まずは、チケットに関してですよね。1枚いくらでノルマは何枚ですよ、とか。
あとは“演奏時間は守る”など当たり前のことの確認とか、“ライブの詳細は1ヶ月前くらいに決まりますよ”、とか。
それで良ければ実際に出演する日付などの話になります。』
ノルマは参加費じゃない
――チケットノルマに関して、一時ネットで“集客をバンドにやらせる日本のライブハウスはおかしい”みたいなブログが話題になったんですけど、松田さんの“ノルマに関する考え”ってどういうものですか?
松『ノルマって参加費じゃないんです。 だから、最初っから「ノルマ分は自腹で払えばいいんでしょ」なんて考えてる人には「出演しなくていいよ」って言っちゃいます。
店長としては営業下手だなぁ、って思いますけど、でも言います。
そもそも、イベントを組んだ(ブッキングを組んだ)時点で“1バンド辺り20枚のノルマ×全5バンド出演=100人のお客さん”という理想があるんです。
単純に、お客さんが多い方がライブって楽しいし。理由はそれだけではないですけどね。
僕は「ノルマは払うもんだ」なんて絶対思って欲しくないです。
「ノルマを払わなくていい身分になって、さらにギャラをもらって帰る」というのがアーティストだと思うんです。 出演アーティストには早くそうなって欲しい、って思ってます。』
――実際にノルマに関して軽く考えてる人っているんですか?
松『バンドを始めたばかりの人の中にちらほらといますね。
清算時に、「ノルマに足りない分は合計で○○○円です」って言うと「はい、○○○円」ってさらっと支払う人が。
そうじゃなくて、ノルマに足りてない状況について真剣に考えようよ・・・って思いますよ。
清算のときは“○○○円”って言いますけど、ホントは“○○○円”じゃなくて“○人分足りない・呼べてない”って考えて欲しいんですよね。 この考え方、詭弁じゃなくて本当にそう思ってます。』
――でも実際にノルマ分のチケット、例えば20枚を売ろうと思うと大変ですよね。そういうときは松田さんが相談に?
松『もちろん相談に乗ります。僕も元バンドマンですからね。
チケットを売るのは大変なのは知ってるから、じゃあどうやって売っていこうか、という話になっていきます。
「チケットが売れない」って言ってるけど、仲間全員に声掛けてみた?掛けてないなら掛けようよ。
ネットに動画アップして、それを宣伝して「生で観るともっとカッコいいからライブに来てよ」って誘ってみなよ、とか。
アーティストと同じ立場に立って考えるのもライブハウスの仕事かな、と思ってるんで。』
――そもそもライブハウスのスタッフさんとかって元バンドマンとか、現バンドマンがほとんどですよね。
松『ホント、そうです。だから、バンド・ソロ問わずアーティストの気持ちが分かるんです。
だからこそ、ライブハウスが儲かるよりもアーティストに還元したいって考えが出てくるわけで。』
>>出演決定となれば次はライブ本番。次エントリーは本番について、ハロー松田店長なりの考えを伺います。
ノルマは参加費じゃない。 お客さんを呼べるアーティストになるのが、最初のハードル。